開発・生産・販売・サービスの一貫体制

当社の社内一貫体制が、「相談できる会社」の信頼に繋がっています。

 私たち東京理化器械の優位点は、大きく2点挙げられます。1つ目は、開発・生産・販売・サービスという一連の流れを一貫体制で行なっていること、2つ目は、この流れによって研究者の皆様が「相談できる会社」という信頼性を確立してきたことです。
 1955年の創立当初から「研究を効率良くできないだろうか?」といったお客様の課題と向き合ってまいりました。お客様ニーズに合せた最適なスペックの製品をご提供するために生み出されたのが、当社の1つ目の優位点である一貫体制です。
 当社は「お客様の声」を大切に考えています。「研究トレンドや製品購入前のご要望」は主に開発・販売部門を通じて、「製品購入後のご相談」は主にサービス・販売部門を通じて寄せられます。そして、それらが全社で共有されることによって好循環サイクルが生まれ、全社一貫で諸課題を解決していきます。これが、2つ目の優位点であるお客様からの厚い信頼につながっています。
 一歩先を見据え、5年後10年後に社会に出ていく新技術、新薬・新素材の基礎研究、そして産業機械の下支えとなっていくことが、当社が培ってきたDNAであり、これからのミッションです。

開発

 わが国の科学技術を支える最先端の研究現場では、医薬品や新素材などの開発が日々続けられています。当社の開発部門には、様々なテーマの研究に対応するため、全社員の1割強にあたる約40名が従事しています。企画と設計(機械・電気)でチームを編成し、研究者の皆様の研究の迅速化・効率化・高度化に貢献するため、研究支援機器の開発を推進しております。
 そして開発部門に、製品開発のテーマやヒントとなる現場のお客様の声が販売部門・サービス部門を通じて寄せられる環境を整えています。これが当社の製品開発における強みの一つとなっています。
 例えば、2020年に発売された噴霧凍結乾燥造粒ユニットSFD型は、医薬品・食品分野などを想定した新たな「用途開発」を目指して、大学研究室と当社が共同開発してヒット製品となりました。
 また、理化学分野では濃縮装置・ロータリーエバポレーターの補助的な装置だった冷却水循環装置(チラー)が、その用途の幅を広げ様々な機器の冷却に用いられ、今では産業分野にまで導入されていることも、当社の開発部門が販売部門と連携してお客様の声を直接伺ってきたことの大きな成果と言えます。
 お客様からの数多くの課題を解決してきた経験と知見を蓄積しているため、その技術力を生かし個別のカスタマイズにもフレキシブルに対応できる体制に信頼が寄せられているのです。

生産

 当社の生産拠点は、宮城県気仙沼市の宮城工場と中国の上海工場の2ヶ所です。お客様からの幅広いご要望に対応するため、両工場は綿密なコミュニケーションを図り、15製品群600機種を超えるラインナップを自社内で一貫生産して、お客様の研究現場と生産現場にお届けしています。
 原材料の購入から始まり、板金加工・機械加工・塗装・ガラス加工・組立・検査、そして梱包までのすべてを内製化して、多品種少量生産を実現しております。なかでもガラス加工では、万一の破損の場合にガラスの飛散を防ぐガラスコーティングまでも自社内で行なっています。
 製品特性を考慮して、ライン生産と一人あるいは少人数によるセル生産をフレキシブルに使い分け、「必要なものを必要な時に、必要な分だけ作る」効率的な生産体制を実現していることも特長です。多品種少量生産の課題であるパーツの共有化・標準化についても、数千品目・数万点の部品管理・運用を両工場で連携して効率化を進め、コストダウンにつなげています。
 品質向上・リードタイム短縮の努力を怠らないこと、また社内で綿密なコミュニケーションを図ることによって、当社の一貫生産はより良いモノ作りへの研鑽の道を進んでおります。

販売

 販売部門は、全国に14ヶ所の営業所とお客様ご相談窓口である「アイラ・カスタマーセンター」をもうけ、お客様のニーズや生の声を迅速かつ正確に把握し、関係部門と連携を図っています。
 営業部員の主たるミッションは、研究分野によって異なる機器へのご要望を一つひとつ見極めて、最適な機種・システム導入をお客様にご提案することです。お客様のお困りごとやご要望に真摯に耳を傾け、問題解決のために一緒に考える姿勢が、「相談できる会社」につながっています。創立以来、この「聞く力」と「応える力」のDNAが受け継がれています。
 また、全国各地の販売店様との密接な連携は当社の重要な営業推進力であり、社内部門とのシナジーを発揮しています。
 さらに、海外への展開も積極的に進めており、中国では営業拠点を10カ所まで広げています。そして、韓国・台湾・東南アジア・欧米諸国などでの様々なニーズに対応しています。当社のスピリットは海を越えて、研究開発意欲が旺盛な各国へ、さらなる可能性を伸ばしています。

サービス

 サービス部門の大切な役割は、お客様から直接お寄せいただいた様々なご要望を社内の開発・生産・販売部門と共有し、製品開発・改善へとつなげることです。全国13ヶ所の「テクニカルサービスセンター」と、経験豊かなスタッフがお電話で購入後の不具合時の故障診断などに対応する「アイラ・修理サポートセンター」によって、万全のサービス体制を整えています。
 全国のサービススタッフは、DXの導入を進め、600機種以上の製品のメンテナンススキルの向上、そしてお客様先での故障診断に活かしています。
 また、近年の環境意識の高まりを受けた「フロン回収サービス」は、第一種フロン類充填回収業者として、超高圧フロン回収の設備も整え、製品廃棄に際してのフロン回収・フロン類使用機器の修理・整備などに対応しています。
 導入機器の性能・機能が定めた基準を定期的に検証し文書化する「バリデーションサービス」は、専門チームを編成して知識と技術の向上に努めながら対応しています。このようなサービス体制を、中国でも同様に整えています。
 長期にわたってお使いいただくための「安心」を、これからもお届けいたします。