恒温器とは?

Incubator

様々な目的で使用されるインキュベーター・ふ卵器!

         
         
         
         

 

         
         
         
         

 

ノンフロン小型低温水循環装置(クールエース)

         
         

 

低温恒温水槽 ユニエースバス

 
         
         

 


恒温試験、信頼性試験、微生物の培養や植物育成、サンプルの長期保存など様々な目的で使用され、『インキュベーター』『ふ卵器』などと呼ばれることもあります。温度のほか、湿度や光条件、CO2濃度などをコントロールする装置もあります。

恒温器の種類と構造
恒温器は大きく分けて次の4つの種類があります。※図は模式図です。実際の構造・配置は装置により異なります。

*恒温器(制御方式:ヒータ)
ヒータのみで温調するため、室温+5℃以上での使用に限られます。温調された空気を直接庫内に循環させるタイプ(強制対流方式)と壁の中のエアジャケット内を循環させるタイプ(エアジャケット自然対流方式)があります。

<対流方式:強制対流方式>


温調された空気を直接 庫内に循環
【長所】早く設定温度に到達する。温度分布が良い
【短所】試料に風が当たり、培地などが乾燥しやすい

 

 

 


<対流方式:エアジャケット自然対流方式>


温調された空気を壁の中のエアジャケットに循環
【長所】試料に直接風が当たらず、培地などが乾燥しない
【短所】温度が安定するまで時間がかかる。温度分布が劣る

 

 

 


<SLI型シリーズFMS型シリーズ>

*低温恒温器(制御方式:ヒータ+冷凍機)
ヒータのほか冷凍機も搭載し、室温以下の温調が可能です。室温付近(20~25℃)での用途では、このタイプが必要。恒温器と同様に庫内強制対流方式とエアジャケット方式があります。室温以下の試料の保存にも使用できます。
<対流方式:強制対流方式>


温調された空気を直接 庫内に循環
【長所】早く設定温度に到達する。温度分布が良い
【短所】試料に風が当たり、培地などが乾燥しやすい

 

 

 


<対流方式:エアジャケット自然対流方式>


温調された空気を壁の中のエアジャケットに循環
【長所】試料に直接風が当たらず、培地などが乾燥しない
【短所】温度が安定するまで時間がかかる。温度分布が劣る

 

 

 

LTE型シリーズLTI-2100型シリーズLTI-E型シリーズFMC型シリーズ

*恒温恒湿器(制御方式:ヒータ+冷凍機+加湿器)
温度・湿度をプログラム勾配制御できます。
環境試験、保存試験、信頼性試験に最適です。
<対流方式:強制対流方式>


ヒータと冷却ユニットにより温度調節されます。温調された空気はファンにより庫内を循環。湿度は乾球用と湿球用温度センサにより測定されて、加湿器および冷却ユニットの除湿作用により湿度調節できます。

 

 

 


KCL-2000型シリーズ


*照明付インキュベーター(制御方式:ヒータ+冷凍機+加湿器+照明)
温度・湿度および光条件などをプログラムで細かく設定制御できます。光源には用途に応じて蛍光灯、陽光ランプ、LEDランプなどを搭載可能です。植物育成に最適です。
<対流方式:強制対流方式(下降気流方式)>


ヒータと冷却ユニットにより温度調節。温調された空気はファンにより庫内を循環。
湿度はセンサにより測定されて、超音波加湿器および冷却ユニットの除湿作用により調節。
照明はチャンバー外側に設置。ガラスを透過し光を照射。

 



FLI-LED型シリーズMTI型シリーズ

主な用途

  内容 使用温度 使用恒温器
恒温試験 一定温度もしくは温度プログラムによる耐熱試験、耐久試験、環境試験、信頼性試験 -5~80℃ 恒温器、低温恒温器、
恒温恒湿器 環境試験器
恒温・恒湿試験 温度条件・湿度条件による素材や医薬品、食品等の環境試験、保存試験、信頼性試験 20~85℃ 恒温恒湿器、環境試験器
光照射試験 温度・湿度および光条件による原材料・化成品・食品・化粧品などの劣化試験。可視光・紫外線による耐光性試験、環境試験。 5~60℃ 光照射試験器、光安定性試験器
微生物・菌体の培養、植物育成 各種の微生物や菌体の培養、植物育成・栽培 4~65℃ 恒温器、低温恒温器、
恒温恒湿器照明付インキュベーター
動物細胞の培養 ヒトなど哺乳類細胞の培養。(温度、湿度、CO2濃度を制御し体内環境に近い条件を設定) 35~42℃ CO2インキュベーター
試料の保存 試料の長期保存、培養後の低温保存 -10~20℃ 低温恒温器、恒温恒湿器

温度・湿度調節範囲

低温恒温器を長期間運転する場合の注意点・「独立過昇・過冷却防止器」とは

低温恒温器を長期間運転する場合の注意点

特に10℃以下の低温域や多湿条件で長期間運転すると庫内や周囲の湿気が「冷却器に着霜し、温調不良や冷凍機の性能低下、故障につながる恐れがあります。観察窓の冷却フィンへの着霜具合を確認し、装置のデフロスト機能を使用して定期的に付着した霜の除去を行なって下さい。また吸気フィルターが目詰まりすると冷却性能の低下や装置故障の原因になります。定期的に清掃を行なって下さい。

 

 

「独立過昇・過冷却防止器」とは


恒温器には機種により「可変式独立過昇防止器」および「可変式独立過冷却防止器」が装備されています。装置の温度調節基板には“温度上下限警報”などの安全機能やアラーム表示機能などが付いておりますが、万が一これらの基板上の安全機能が働かない場合や基板そのものが故障した場合は温度の暴走により生体試料の過熱や損傷を引き起こす恐れがあります。温調基板とは別に、過昇防止器・過冷却防止器を備えることで温度の暴走を防止できます。通常は使用温度に対してそれぞれ10℃程度の幅を取って設定します。


微生物や細菌を培養するときの最適温度・植物を育成・培養するときの使用温度

微生物や細菌を培養するときの最適温度

微生物・細菌の生育・増殖には種類により適温があります。

一般に以下の3群に大別されます。
 低温菌(最適温度10~20℃)
 中温菌(最適温度25~45℃)
 高温菌(最適温度55~65℃)
冷蔵庫の温度でも増殖する食中毒細菌も数多くありますし、ワイン酵母なども比較的低温を好み、赤ワインで20~25℃、白ワインで15~20℃が好適温度となり、培養や醗酵実験には冷凍機搭載のLTE型など低温恒温器が必要になります。またサルモネラ菌など多くの食中毒菌や大腸菌の生育温度は30~40℃なのでSLI型などの恒温器を使用します。


植物を育成・培養するときの使用温度

植物の育成試験では目的により使用温度が異なります。通常の生育実験などでは10~35℃程度の自然環境に近い温度で使用されますが、耐寒試験や病害試験では5~10℃程度の低温、ストレス耐性試験などでは40~45℃位の温度条件で使われる場合もあります。また、24時間周期で昼と夜の温度を変える実験や温度を変えることにより発芽が促進される植物の発芽試験などでは温度プログラムが設定できる恒温器が使用されます。


新旧「照明付インキュベーター」光源の互換性

光源(蛍光灯・LEDランプ)の互換性はありません。

新タイプFLI-2020型に採用の直管LEDランプは「ソケット無し」のタイプです。FLI-2010型や2010-LED型は「口金規格G13ソケット付」であるため互換性はありません。したがって新タイプFLI-2020型シリーズに従来の蛍光灯やFLI-2010-LED型に搭載の直管LEDランプは取付できません。

「照度(Lx)」と「光合成有効光量子束密度(μmol・m-2・s-1)」の換算式

照度センサ、光量子センサそれぞれで測定する必要があります。

照度(Lx)の数値が上がれば光量子束密度(μmol・m-2・s-1 )の数値も上がるので、
一見比例関係に見えますが、換算は単純にはできません。

参考:FLI-2020A,2020Hの段階調節時の照度(Lx)と光合成有効光量子束密度(μmol・m-2・s-1


1L:20μmol・m-2・s-1(1400Lx)
2L:50μmol・m-2・s-1(4000Lx)
3L:100μmol・m-2・s-1(7000Lx)
4L:150μmol・m-2・s-1(12000Lx)
5L:270μmol・m-2・s-1(19000Lx)

 

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