環境に優しい冷媒へ
地球に優しく環境負荷が少ない冷媒への転換など、当社の環境への取組みの具体策をお伝えします。
ノンフロン・低GWP冷媒への転換!それは地球からの切望、時代の要請です。
フロンガスとは、フッ素と炭素の化合物からなる気体をいいます。フロンは、化学的に極めて安定した性質で扱いやすく、人体への毒性が小さいことから、エアコンや冷蔵・冷凍庫の冷媒など幅広く利用されています。しかしながら、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)に分類される「特定フロン」は、オゾン層を破壊する悪影響が確認され、現在では生産・輸入が規制されています。
これらに代わって、利用されている冷媒が、HFC(ハイドロフルオロカーボン)と呼ばれる「代替フロン」です。HFCは、オゾン層を破壊する効果は有していないものの、温室効果が大きいことが分かってきたため、近年は地球温暖化の防止の観点から、温室効果が小さいノンフロン冷媒や低GWP冷媒の採用が求められています。当社は、地球環境に配慮したノンフロン・低GWP冷媒への転換に取組んでおります。
出典:環境省「フロン排出抑制法 ポータルサイト」
GWPとは?
GWPとは、地球温暖化係数のことであり「二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化を進めてしまう力があるか」を表した数字のことです。単位質量(例えば1kg)の温室効果ガスが大気中に放出されたときに、一定時間内(例えば100年)に地球に与える放射エネルギーの積算値(すなわち温暖化への影響)をCO2に対する比率として見積ったものです。
出典:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター「地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)について知りたい」
環境規制が厳しい欧州連合(EU)の動向も見据えています。
EUのFガス規制(Regulation(EU)No 517/2014)は、フッ素化している温室効果ガス(Fガス)の放出を削減することにより、地球環境保護を目的とした規制で、2006年に定められ、2015年にさらに厳格化されました。Fガス規制では、高GWP(GWP値2500以上)のフロンガスを使用している装置・機器などを市場で販売することを禁止し、サービス・メンテナンスにおける高GWPガスの使用も禁止しています。当社は、低GWP(GWP値2500未満)のフロンガス及びノンフロンガスの導入を進めています。
当社の具体策①ノンフロンチラーを開発・新発売!
環境配慮型チラー、新登場!
小型ノンフロン冷却水循環装置 CCA-1123A・1123S型
充填しているノンフロン冷媒(R290)はオゾン破壊係数ゼロ、
地球温暖化係数(GWP)がわずか3。地球環境負荷を大幅に低減します。
ノンフロン冷媒の安全性
ノンフロン冷媒として採用しているプロパン(R290)は、炭化水素系冷媒であるため可燃性を伴います。当社のノンフロン製品は、日本産業規格JIS C 9335-2-89(可燃性冷媒適用に関する項目)に準拠しています。また、第三者機関(JET:一般社団法人 電気安全環境研究所)の認証を得て、その安全性が保障されています。
当社の具体策②ノンフロン冷媒・低GWP冷媒製品ラインナップを拡充!
当社では、フロンガス冷媒を使用した製品のうち、GWP値2500以上の高GWP冷媒を、低GWP冷媒(GWP値2500未満)に転換する取組みを行なっています。また、「ノンフロン冷媒」への切替えも、順次進めております。下記のリストでその進捗をご確認ください。
- 対象製品群
- 冷却水循環装置、低温恒温水槽、低温恒温器、照明付インキュベーター、温度勾配恒温器、投込みクーラー、冷却トラップ装置、凍結乾燥機など
冷媒(GWP値) | 製品 |
ヘリウム GWP値:0 ノンフロン |
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---|---|
R290 GWP値:3 ノンフロン |
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R448A GWP値:1386 低GWP |
冷却水循環装置 |
R134a GWP値:1430 低GWP |
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R407C GWP値:1770 低GWP |
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R410A GWP値:2090 低GWP |
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R452A GWP値:2140 低GWP |
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GWP値:IPCC第4次評価報告書に基づく

低GWP冷媒採用製品の識別として、2016年2月以降に生産された当社の冷凍機搭載製品には、製造番号シールにGWP値を記載しています。
また、2020年8月の生産分より、GWP値が2500未満の製品には専用のシールが貼られています。ノンフロン・低GWP冷媒採用製品の識別として、ご活用ください。


当社の具体策③ノンフロン冷媒へのさらなる切替えを、鋭意推進中!
特に多くのお客様にご使用・ご好評いただいている機種から、さらに環境に配慮した「ノンフロン」冷媒への切替えを進めております。冷凍機搭載製品は主力製品の冷却水循環装置のほかに、凍結乾燥機、低温恒温器、低温恒温水槽などがありますが、将来的にこれら製品をすべて「ノンフロン冷媒」に切替えていきます。
フロンガスに関する当社の取組みを併せてご紹介いたします。
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